コインランドリーが出てくるミュージックビデオ160本以上を紹介中。今回は162本目です。「女だから掃除洗濯せよ」の問題点。
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彼と彼女の日常を、まるで映画の質感でYouTubeに公開するシネマティックVlogが流行っているそうです。ストーリーの起承転結では縛らず、画角やロケ地、登場するグッドルッキング・キャストにより没入感を促す、映画の一部を切り取ったような数分の映像というのが特徴です。「ヒメゴト」のMVも、自然光の行き届く広いコインランドリー店舗を奥行きに使うことでリッチな映画的画角になっています。
主人公カップルが、共同生活をするシーンで、女性が家事に取り組んでいる時に男性がソファでスマホを見ています。多くの視聴者が「これはよろしく無い」という感情を持つ、その様に意図された演出されたシーンです。では男性はどうしたら良いと思いますか?女性の側は、黙ったままで良いと思いますか?
このあとジェラートにシャボン玉に、ふたりで散歩していたのに、コインランドリーでは主人公の女性ひとりで洗濯しています。
ふたりで居たシーンを回想しつつ、コインランドリーの乾燥機窓からのカメラアングルで、色眼鏡でふざけ両手で羽毛を撒き散らし炭酸飲料とドネルケバブをパーティー食い!からの、作業机でうたた寝。彼との良かった時の上澄みの思い出だけが頭をよぎります。
夢から覚めたあと、すっかり洗濯乾燥の終わったタイミングで、男性がコインランドリーにやってきますが、手伝うシーンは全くありません。むしろ、離れたところから覗いていて、作業が終わるのを見計らって来たとしか考えられない。
ラストカットの含みに注目です。ふたりは SANYO ガス乾燥機 SCD-3551GC の前で肩を寄せて並んでいますが、目線はまったく別々の方向を見ているところから始まります。男性が文字通りうわの空を見て、女性は目線を下げている。数秒後にふたりは視線を合わせてエンドですが、彼にはどんなヒメゴトがあるのか、彼女の心にもまたどんなヒメゴトがあるのか。全編を通して、昭和の名残を匂わせる「男性らしさ」や「女性らしさ」について、このままでいいのか?と問いかけてきます。
女だから掃除洗濯が当然という考えがもしもあるとしたら、性別に縛られる社会的役割の強制です。女性にとって、男性にとっても生き方を強いる息苦しさは続いてしまいます。掃除も洗濯も、手洗い洗顔と同じく誰もがやること、誰がやってもいいことだと、前提を考え直す時代を迎えています。
もちろん、十人十色。個人毎に考え方はありますが、主人公の女性には「貴方も感づいていると思いますが、あの彼とは結婚したら苦労すると思います」と助言したいです。
コインランドリーには、老若男女いろんな人たちがやってきます。コインランドリーは、洗濯したい、洗濯する、洗濯し続けるすべての人たちの味方です。
コインランドリーオーナー様へ
コインランドリーには、初心者の方も、高齢者の方も、大物洗いの方もいらっしゃいます。そんな方々がお困りの時に、24時間コールセンターは必須です。オーナー様のランドリーショップでも、電話問い合わせ窓口を導入しませんか?くわしくは、ランドリーサポートへ。