コインランドリーが登場するMVのご紹介、44回目。タイムマシーンが漂着する何度目かの夏。
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Chara「タイムマシーン」
リリースが1997年7月。MVに登場するコインランドリーは97年当時のスタンダード。wifiもなく、防犯カメラもなく、キーキーと音を立てるキャスターの付いた事務椅子なんかが置いてあって、扉はいつも全開。SANYO のガス乾燥機が力強く回っています。
「タイムマシーンはこない」と繰り返すこの歌。
この撮影の少し前に結婚したAくんとの共演で、それはもう恋人にしか見せない表情のチャラがクリッピングされていることに、タワーレコードのフリーペーパー『bounce』をいつも持ち帰るようような少年少女たちが多幸感に包まれました。
その後2009年、チャラとAくんとのお別れがニュースになった瞬間に、予言のようなこのMVがついに完璧な作品になってしまった。生粋のチャラファンだった女性の友だちが「だって、タイムマシーンは来ないんだよ」といいつつ、泣きながらカラオケを歌っていたのを見ながら、これがタイムマシーンなのではないかと思った。
そして2014年、Aくんとチャラの長女Sちゃんがモデルとしてデビュー。生まれたときから知ってるよ！っていうその物語を、なにに例えようか。関根勤さんが生まれたばかりの長女を「顔が暑苦しいんだよ」と報告した十数年後、関根麻里ちゃんがテレビに出てきて紅茶吹いたことに例えようか。ちょっと違う。
ともかく、チャラの物語も同時代を生きる私たちの物語も続いていて、なんなら次の世代にバトンをつなぎながら、名曲「タイムマシーン」は何度でも新鮮に漂着し続けている。全然違う気持ちで「こんな気持で聴く時が来るとはね」と、何度口にしただろう。昨日という日があったらしい、明日という日があるらしい、だから今日聴く音楽が素晴らしいのだ。
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