コインランドリーが登場するMV紹介の第87回目です。なぜ君は乾燥機を買わないのか。
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YOHEY「乾燥機」
ヒュービッシュガス乾燥機 300DRG の14kg×2段タイプを回しながら、主人公は「乾燥機が欲しい。それをあなたに言ったって何も解決しない。いつかは絶対欲しい」概ねそのような言葉を繰り返します。主人公と話し相手のあなたは、結婚しているかどうか、それによってドラマの見え方が名成り代わってくるのですがあえて描写していないところが、ポップスという音楽の可能性のマジックです。これがラップ、ヒップホップであったならば「お前のために、稼ぐビッグマネー、乾燥機買える幻想現実に変える」など明確にすることで、自分個人と、パートナー、乾燥機という三者の関係性に思い入れをもたせたかもしれません。
では、Pop music として乾燥機が買えないとはどういうことなのか。「みんな、乾燥機欲しいけど、高いよね」という百万人の集合感情。解決策はこう歌われている「たくさんお金を稼いだら死ぬまでに買ってやりたいな」。近年言われている若者の○○離れ、お酒、車、テレビ、恋愛、その根本理由は、お金が無いことと言われています。これを個人のつぶやきとして表した貧困問題の歌ではないでしょうか。
河村陽平さんの書いた乾燥機の歌詞ですが、アングルを変えれば「ぼくはこんな調子なので、あなたが乾燥機をぼくにプレゼントしてくれませんか」と読み取れる余白があります。ここに注目してみましょう。「どうにか手に入れたいのです」は、人間あなたに対してよりも物欲が上位にあたる。「あなたに言ったって何も解決しないのに」と口に出すのはなぜか?実のところ、はなしを聞いてくれる人はあなただけなのではないか?
詞の中のあなたが、笑った、起こった、ため息をついた、など1つでもヒントがあれば、主人公の現在も未来も定まるのだけど、残念ながら長々としゃべり続けてもあなたからのリアクションはありません。これは、心の中につくりあげたイマジナリーフレンドに長い年月つぶやいているだけの一人の男。孤立社会の歌なのかもしれません。
それをふわっとした感触でポップスに仕立てているのが音楽家の腕ですね。
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