コインランドリーが登場するMVご紹介の76回目。中央線ライフ満喫の銭湯併設コインランドリー。
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off「shuto」
ミュージックビデオをさらっと通してみたときには、西東京JR中央線住まいの男友だちの話かと思ったのですが、もっと多重構造になっているようです。
コインランドリーのロケ地は、阿佐ヶ谷北に数箇所ある銭湯併設ランドリーのひとつ、銭湯天徳泉コインランドリー。この前の道は、阿佐ヶ谷駅からだんだん離れていくのですが、ゆるやかにクネクネと曲がり荻窪の方まで続いています。ガラス戸から覗けるカウンター居酒屋、古道具屋、区の施設、銭湯、コンビニが点在していて雰囲気のいい道です。天沼児童館周辺は、靴を脱いで共有玄関を上がるタイプの風呂なし四畳半アパートもまだ残っているエリアです。
ミュージックビデオに阿佐ヶ谷の名曲喫茶ヴィオロンを映しているのも、意図的な監督の阿佐ヶ谷愛だと受け取りました。
ミュージックビデオ「shuto」で、主人公格の男性は、高円寺高架下を歩き、中野駅北口の織田学園あたりで倒れて眠ってしまった同年代の男の子を助けに来たようです。あまり構わずに距離をとりながらも、阿佐ヶ谷まで送ってあげるところが頼もしい。時間帯は深夜に近そうです。結局、家まで行かずにセブンイレブン前の銭湯天徳泉のコインランドリーに置いてきてしまいます。
中央線友情ストーリーかと思うと、ここから不思議な展開に。主人公は中野へ行くときには歩いていたのに、パッサージュ阿佐ヶ谷から自転車に乗り、自宅マンションに着くとエントランスにも倒れている男の子が居ます。
これは、中野で倒れていたのも、阿佐ヶ谷で倒れていたのも、マンション前で倒れていたのも全部、並行世界、あるいは過去の自分自身だったのではないでしょうか。夜通し男の子を助けて回った主人公は、帰宅して夜明けの朝日を浴びます。希望、自信を持った今の自分が、あの時もうダメだと思った自分を振り返って「あの時の俺、なんとかなる!」と回想している。力を掛けて引っ張ることはできないのだけど、乗り越えた先に居る自分から、伏せている自分にエールを送ると、あの時の自分に形のない自信や決意や気づきを与えることができる。これは、最先端の多言宇宙論です。
中野、高円寺、阿佐ヶ谷のそこかしこに居たあの頃の俺へ、未来の私から言えることは「なんとかなるぞ。もっともっと楽しいことがあるぞ」。
コインランドリーオーナー様へ
コンビニのそばのコインランドリーを気軽に使ってもらえるのは良いけど、飲食したゴミを片付けずに置いていかれるのは困りますよね。定期清掃の業務委託でらくらく運営をご検討ください。コインランドリーにいちばん詳しいコールセンター、清掃、集金のことならランドリーサポートへ。